
以前こちらの記事で解説したことはあるのですが、もう少し踏み込んだ話をします。
エリオット波動というと、ただ波を数えるだけの簡単な根拠集めだと思いがちです。実際私もそうでした。
しかし、波の数え方ひとつとっても、ある程度の期間正しい手法を学んだ人と、初心者との間では雲泥の差があります。
今回はちょうど良い相場(と、過去の凄惨なチャート分析画像)が見つかったので、波を数える際に気を付けるポイントを解説していきます。
間違ったエリオット波動の数え方
波の大きさが不自然
恐らく、学び始めに一番起こりやすいミスだと思います。
無理に波を数えようとして、本来数えるべきではないところにエリオット波動を適用して数えてしまうのが原因です。
上の画像の例では、0-1-2の波の規模と、2-3-4の波の規模が明らかにミスマッチですね。
相場では、小さい波は大きい波の一部として組み込まれていくものなので、小さい波は小さい波、大きい波は大きい波、と分けて考えないと適切なチャート分析はできません。
ある波だけが異常に長い
また同じ場面での例となりますが、この場合は5波の部分が長すぎるのが不自然です(ルール通りではあるので5波と考えても構いませんが、値動きを見ると……)。
普通は3波が一番長いですからね。
確かに、丸で囲った部分だけを見るとうまく数えられているようにも見えますが、その後一気に下降していったのを見て、3波に組み込まれたと考えるか、そもそもとしてエリオット波動を適用するのを諦めるかした方が良いでしょう。
波の途中から数え始める
これも非常にやってしまいがちなミスだと思います。
そして、かなり危険な考え方です。
エリオット波動を数え始めるのは、上昇エリオットなら直近の最安値、下降エリオットなら直近の最高値です。
これは絶対に守らなければいけません。
なぜこれが重要なのかというと、途中から数え始めると目線が180度変わってしまうからなんです。
上の例で考えると、本来数えるべき正しい下降エリオットは青の数字で書かれた方になります。
直近の最高値から波が始まっているし、波のサイズ感もちょうど良いからです。
となると、現在赤い垂直線のところにいるとすれば下降5波、あるいは下降5波終了した辺りということになるので、下降トレンドだからといって売るにしても慎重になるべきだし、状況次第では買いを待っている場面です。
しかし、私はこのとき間違えて赤の数字の方で数えてしまっていました。
すると、現在下降3波ということになってしまいます。
下降3波だと考えていたら、売りしか考えられなくなり、その後のトレンド転換に対応できなくなりますね。
正しいエリオット波動の数え方と実際のFXトレード
では、以上を踏まえて上の画像のエリオット波動を数えてみましょう。
こちらは5分足ですが、1時間足と全く同じ要領で数えて問題ありません。
こうですね。
波のサイズを考えると、赤い数字で書いた方はちょっと焦り気味かなと思います。
5波が終了したところを狙ってトレードすることができるのは先の記事で解説済みなので、そこで買いを入れました。
またエリオット波動の基本について復習したい方は、先生のブログ記事で詳細に解説してくださっているので、そちらを参照してください。